2024年11月、ロンドン(イギリス)で、
マイケル・ジャクソンの人生と楽曲を題材にしたミュージカル
「MJ」を見に行きました。
実は2019年にも、同じくロンドンで、
マイケル・ジャクソンを題材にしたミュージカルを見たことがあるのですが、
その時とは別の、2021年初演の新しいミュージカルです。
開場から開演までの間も、
透過性のある幕だけが下されており、
幕の向こう側では楽器の準備やストレッチをしている様子が伺えます。
「5 minutes to Michael」「3 minutes to Michael」(マイケルまであと5分)
と、カウントダウンのように演者が叫び、
期待を煽ります。
冒頭シーンは、ライブリハーサルのシーン。
そこから、彼の幼少時代(ジャクソン5)まで遡り、
時系列で進んでいきます。
厳しすぎる、時には暴力を伴った父親からのレッスン。
マイケルだけ才能が突出しすぎているがゆえの、
兄弟との複雑な関係。
音楽界において、彼は大成功を収めましたが、
光と闇が同居した人生だったと思います。
と、あらすじや感想はたくさんの人が書かれているので、
このミュージカルを見て、自然と心に浮かんで来た
ミュージカルの感想とは少し外れているかもしれない
感想を書いておきたいと思います。
西洋人特有のグルーヴはやはり存在する
マイケルの曲はいろんなジャンルの要素が混じり合っていると思いますが、
特に、ファンクやブルースのようなパートでは、
黒人特有のしゃがれた声が、バッチリはまっていると感じました。
例えば、スティービー・ワンダーみたいな感じ、と言えば
わかりやすいですかね。
また、西洋ポップ・ミュージックのノリというものが、
やはり存在するなと感じました。
例えばマイケル・ジャクソンの、曲中の細かなハミングみたいな声を、
日本人が歌う様子は、なかなか想像できません。
ノリというのは、言葉で表現するのはとても難しいです。
ポップミュージックは2,4拍目にアクセントが来るのが主流です。
(ズン、ダン、ズン、ダン)
一方で、日本の伝統的な音楽、
例えば、演歌や盆踊りは1,3拍目にアクセントが来ます。
(お年寄りが演歌に合わせて手拍子を打つシーンを思い浮かべてください)
これは、どちらが優れているという話ではなく、
互いに憧れる、という関係性もあると思います。
例えば、ジョン・レノンが日本のノリに興味を持って
1,3,拍目にアクセントが来るよう
「I Am the Walrus」を作った話は有名です。
しかしながら、日本のポップミュージックは洋楽をお手本に発展してきたと思うので、
黎明期は洋楽への憧れとコンプレックスが、確かに存在していたと思います。
最初はなんでも、模倣から始まります。
「J Pop」という言葉が使われ出したのは90年代ぐらいでしょうか。
その頃から、日本独自の発展をした、洋楽とは少し異なる
「J Pop」という音が生まれ、
今ではしっかり確立されていると思います。
メロディー、コード進行、展開、そして日本語の響き。
それは洋楽とは確かに異なる音で、
今やコンプレックスを伴っていない。
少しスケールが大きくなりすぎたけど、
マイケル・ジャクソン(洋楽)と改めて向き合うことで、
逆に、「J Popの存在」を強く認識したのでした。
一方で、今もポップミュージックの中心が欧米にあるのは事実です。
映画「This Is It」で描かれていたマイケル・ジャクソン最後のツアー。
そこには、世界各地からバックダンサーオーディションに参加する様子が映されています。
そして、今回のミュージカルのステージ上。
そのどちらにも、アジア系の人を見つけるのは困難です。
欧米のステージ、スタイルを目指すとなると、
日本人として生まれ出ただけでハンデがあると感じました。
言語、人種、慣習、環境。
それらを乗り超えて、欧米人と肩を並べてステージに立つのは、
とてつもない高いハードルだと思いました。
それらを克服して、世界で活躍されている方々は
本当に尊敬します。
自分は「同じことをしても敵わない。自分ならではの変化球で勝負しよう」
と考えるタイプです。
「何かが出来ない」ということにコンプレックスを感じる必要はなくて
「出来ないことから生まれる」こともあると思うのです。
このミュージカル中、何度も繰り返されたキーフレーズがありました。
Keep the Faith
(信念を貫け)
周りに反対されようが、自分が信じたことを貫く。
それがどれだけ難しいことか。
マイケルはこの言葉で、数々の困難を乗り越え、
成功を手にして来たのでした。
マイケルに倣うのは、とてもおこがましいのですが、
なるべく、Keep the Faithして、
自分ならではの価値を生み出していきたいです。
じわじわと登録者が増えてきました。
音楽をやってる人ならではの感想、興味深く読みました。
信念を貫き通したマイケルの曲は強く逞しく生き残っていますね。目に見えることだけが真実ではないというのがよく分かります。
クララさんの信念を貫き通している魂もちゃんと伝わっています。
その姿に何度勇気づけられたことか!
ブログを読んでJESTIVALになってからのクララさんの曲やライブの魅力はそこにあったのかと再認識しました。(それ以前から変化球投げまくりでしたけどね笑)
クララさんのKeep the Faith
何が起こるのか、これからも楽しみです♪